派遣会社からの依頼で、派遣スタッフの方から転職についての相談を受けました。東北の工業高校を卒業し、長年にわたり自動車部品などの加工作業に従事してきた方です。最近は夜勤が辛くなり、同一労働同一賃金の制度による将来的な賃金に対する不安も抱いています。さらに、70代の同僚と自分を比べて「自分はあの年齢まで同じ仕事ができるのか?」と心配していました。夢だった釣り船の船長や、最近興味を持ち始めた高年齢でもできると勝手に考えている倉庫作業も選択肢として浮かんでいるそうです。
前回のブログでは、社長を応援する姿勢を前面に押し出していましたが、今回は少し消極的なアドバイスをしました。世の中の流れと彼の性格を考慮し、無理に転職を勧めるのではなく、慎重になるよう助言しました。彼が独身で「人生は一度きりだから挑戦してみる価値がある」と強く思っているのであれば、トライを勧めたかもしれません。しかし、のんびりとサラリーマン生活を送りたい気持ちがあるならば、今の仕事で20年以上培った経験を捨てるのは非常にもったいないと思いました。現職が嫌いではなく、他の同僚が辞めた後に苦労している話もあり、転職を考え直すように促しました。
ただ、彼はすでに就職活動を始め、地域も絞って、かなりやる気を見せています。私が否定的な意見を述べることで、彼に「会社の味方をしている」と思われるのではないかと心配もしました。悪い気分で辞められてしまうのは不本意ですし、万が一転職がうまくいかない場合にも戻れるような関係を保ちたいと考えています。
彼とは10年近くの付き合いですが、時間が経つのは本当に早いものだと感じます。経営者の視点と労働者の視点、両方を考慮しながら物事を判断することがいかに難しいかを実感した一日でした。なんとか両方が幸せになる方法を模索する日々です。